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2022/06/17 06:20
そろそろエアロプレスを…
NIJIYA では、現在ドリップコーヒーを淹れる際、抽出器具は主にHARIO v60を使用しています。
円錐形で内部にスパイラルリブがついており、淹れ方によって好みの深さに調整しやすいのが特徴ですよね。
使い終わったあとの手入れも簡単でとても重宝しています。
それとは別に数年前から「エアロプレス」という抽出器具も取り入れ、使い分けて使用しています。
当初は試験的に導入してみたのですが、同じコーヒーでも全然違う味が引き出せることに驚いて、いつか本格的にお店で使用したいなと考えていました。
Aeropress®︎(エアロプレス)は、2005年の誕生からだいぶ経つのでご存じの方も多いと思いますが、注射器のような形をした抽出器具です。
元来めんどくさがり屋の私は、掃除や手入れの大変な道具は途中で使わなくなる傾向にあるのですが、エアロプレスは抽出後の手入れがめちゃくちゃ楽!そこが一番気に入っているポイントかもしれません。
コーヒー好きでご自宅でよく飲む方はもちろん、持ち運びもしやすいのでアウトドア用にもぜひおすすめです。
そもそもエアロプレスとは
2005年にエアロビーの発明者アラン・アドラーさんが開発したことからその名がついたと言われています。
安価(5,000円前後)で耐久性があり、持ち運びもしやすいので旅行やアウトドアに持ち歩く愛用者も多いようです。
特徴としては、湯にコーヒーの粉を浸す「浸漬式」とフィルターを通す「透過式」の両方の要素を併せ持つ点。フレンチプレスとペーパーフィルターの中間のような立ち位置。
基本的にフィルターはペーパーなのですが、メタルフィルターやエスプレッソのようにクレマのある凝縮されたコーヒーを出すこともできるフィルターもあります。淹れ方がとにかくめちゃくちゃバリエーションに富んでいて、またひとつコーヒーのおもしろさを体感することができると思います。
NIJIYAの場合
当店で扱っているコーヒー豆は、HARIO v60とAeropressどちらで淹れるのが美味しいと感じるか?
今回比較したのはこの二つの抽出器具だけですが、同じ豆とは思えない味の違いに驚きます。
全体的に、「調和」のv60、「個性」のエアロプレスという印象。
コクやまとまり、まろやかさを求める方には、v60を。
このコーヒーならではのエッジの効いた個性、複雑さを感じたい方にはエアロプレスをおすすめしたいです。
お客さまの好みを聞いたときに、「酸味が苦手」とおっしゃる方が多いのでそういう方にはv60をおすすめしたいですが、せっかく品質の良いスペシャルティコーヒーを味わうならこれまでの固定概念を覆すようなコーヒーに出会えるチャンスかもしれないので、エアロプレス抽出も試してみてほしい、というのが本音。
では、豆の種類別で私たちがどちらの器具をおすすめするか?
その理由も含め、簡単に触れてみたいと思います。
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#1 エチオピア・イルガチェフェG1ナチュラル / Medium Roast
結論:v60
v60の方がコクがあり、深みがある。ナチュラル独特の個性やハニーのような甘みを強く感じます。
酸味が和らいでまろやかさが増す印象。
エアロプレスは、オイルが出ていて色は明るめ。
口に入れた瞬間、きれいな酸味が感じられるのが印象的です。
こちらの方がすっきりしていて軽さがあります。
#2 パプアニューギニア・キガバー農園 ハイランドスウィート / High Roast
結論:エアロプレス
まろやかさと深みを感じるv60、緑茶のような苦味も増すように思います。
エアロプレスは、はじめに爽やかな酸味が感じられて明るさが強調される印象。
ハイランドスイートの個性がわかりやすく「軽やか」だけではないこのコーヒーならではの複雑な風味を感じられると思います。
後味も爽やかです。
#3 グアテマラ・アンティグアSHBラ・アゾテア農園 / City Roast
結論:エアロプレス
第一印象、v60の方が味のまとまりとバランスの良さを感じます。味に深みもあり、飲みやすい。
反面、飲み進めていくと少し単調さを感じるかもという印象です。
エアロプレスは、コーヒーの明るい部分を引き出され、酸味・苦味がともに強調されます。
個人的にはエアロプレスの方が最後まで飽きずに飲めると感じました。
とはいえ、これは完全に好みの問題。
飲むときの気分にも左右されるはずで、どちらを選んでも正解なのではと思います。
#4 コスタリカ・セントタラスSHBガンボア農園 / French Roast
結論:v60
個人的に深煎りに何を求めるか、を考えたときにやっぱり「コクと深みと甘み」だったので、イメージに近いのはv60かなぁ…という印象です。
でも他の豆同様に単調さを感じる部分も。
冷めた時の感じ方もそれぞれ変わるが、エアロプレスはベリーのような独特の酸味も引き出し、よりいろいろな表情の変化が楽しめると感じます。
こちらの比較も難しく、飲む人が何を求めるかによって意見が分かれそうです。
#5 カフェインレスコロンビア・ブーゲンビリア農園EX / Fullcity Roast
結論:v60
v60はシルキーな口当たりで、他の豆と同様コクの深さやバランスの良さがたのしめます。
栗、カカオ、オレンジなどの複雑な風味に、言われなければカフェインレスとは気づかないと思えるほど。
エアロプレスは比較的軽さを感じるのと同時に、酸味や苦味も強調される印象があります。
以上、完全に個人的な感想です。
正直、全部どっちもおすすめなので(エチオピアは絶対v60)、あんまり参考にならないかもです。
現在、当店でご提供するドリップコーヒーはすべてHARIO v60で抽出していますが、今後は豆の種類に応じてエアロプレスも使用していきたいと考えています。
基本的にNIJIYAがおすすめする器具で抽出しますが、お客さまご自身が選択していただくこともできますので、お気軽にお声がけください。
今後、NIJIYAでエアロプレスの抽出を体験できる機会も設けたいなと考えています。
ご興味ある方、乞うご期待です!(時期は未定ですが)