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2022/07/08 13:37


新色、誕生


今月から、「天然漆仕上げのコーヒードリッパー(以下、「漆ドリッパー」)」に新しい色が加わりました!

NIJIYA coffeeでは、村上木彫堆朱工芸士の塗師である川村将さん(川村庚堂漆器店)に「塗り」を依頼し、実際に店内で使用するだけでなく、オリジナルのプロダクトとして販売も行っていました。

BASEでは、「外:堆朱 × 内:堆黒」と「外:堆朱 × 内:堆朱」の2色のみの販売でしたが、今回店頭と同じ5色全ての販売を開始します。




NIJIYAとしては、村上に関わりの深い「漆」に対して興味を持つ人が増えるといいなという思いからはじめたのですが、「こんなカラフルな色もあるのか!」と興味をもたれるお客さまが多く、また、もともと漆ファンである方も意外といらっしゃることに私たちが驚いています。

私個人も実際に数年間ほぼ毎日、漆ドリッパーを使用していますが、簡単なお手入れで劣化を実感することなく使えていますし、何より温かみのある質感に愛着がどんどん深まっています。


今回新しく加わったのは、こちら↓



錫(すず) × 堆朱(ついしゅ)

川村庚堂漆器店オリジナルのブランド「SUZUKO」と同じ、錫粉を混ぜた黒漆を使用。

下層には、定番の堆朱が塗られていて、鮮やかな朱がクールで高級感のある金属のような色味を引き立てています。

唯一無二の質感と手触り、光の角度によって変わる様々な表情をお楽しみください。





漆の産地


新潟県村上市は平安時代から漆の産地として広く知られていました。

漆技は1400年頃に城下町・村上に京都から来た漆工が伝え始め、1700年代当時の村上藩主が奨励したことから徐々に彫漆工芸が盛んになったといわれています。


また、1100年前の大和朝廷のもとで建立された「漆山神社(式内社)」は、日本で唯一の漆の神社として今でも存在しており、江戸時代の半ばに活発に行われた漆樹栽培は、明治半ば頃にかけては産出量が日本一になるなど古くから漆と関わりの深い地域でした。


「村上木彫堆朱」は「木地師」による木地作りから、「彫師」による木彫、「塗師」による塗りに至る13の工程が分業で行われるのが特徴です。


昭和30年2月「村上堆朱」が新潟県無形文化財に指定され、また昭和51年2月には「村上木彫堆朱」が経済産業大臣(当時の通商産業大臣)より国の伝統的工芸品の指定を受けました。




持続可能な素材


現在は高価な工芸品として知られる漆器ですが、「漆」はもともと優れた抗菌・殺菌効果があり、乾燥するととても硬くなるという性質を持っています。熱に強く、海に流れ出しても自然に分解されるため、プラスチックのように環境を汚染することはありません。

一部ではプラスチックの代替素材として研究・開発が進められており、使い道しだいでは今後の環境問題解決に大きな役割を担うのでは、と考えられています。


私たちはこの「漆」という素材に興味を持つ人を増やすことによってその可能性を拡げられないか…と考え、村上堆朱伝統工芸士の川村さんに依頼し「天然漆仕上げのコーヒードリッパー」を製作しました。

伝統や文化の推進というよりは「カラフルで普段使いしたくなる」「手元に置いて永く愉しめる」というような商品としての魅力を引き出すことに注力しています。


まずは「これは何??」と興味をもっていただき、年代を問わず漆を知るきっかけとしていただければ幸いです。






◎NIJIYAおすすめの漆器店さん


「川村庚堂漆器店」さん

黒漆に「錫粉」を混ぜて使用しオリジナルの商品を開発するなど、伝統と確かな技術を受け継ぎつつ、独自のセンスでこれまでの枠にとらわれない新たな商品制作に意欲的な漆器店です。

NIJIYAの漆ドリッパー製作は、三代目の将さんに依頼しています。

https://koudou-tsuishu.com/



「堆朱のふじい」さん

村上市内で唯一、木地・彫・塗3部門に職人がいる漆器の製造販売店です。

村上木彫堆朱に関して非常に造詣が深く、個人的に相談に乗っていただいたり、ウェブサイトの説明も簡潔でわかりやすいためとても参考になります。

https://tsuisyu-fujii.co.jp/



「村上堆朱事業組合」さん

村上木彫堆朱の育成・振興を目的に設立されました。

https://tsuishukumiai.jp/